投稿日:2018年5月21日 カテゴリ:インビザライン
マウスピース型矯正治療法(インビザライン矯正システム・薬機法外)で過蓋咬合(ディープバイト)の治療
過蓋咬合(ディープバイト)とは?
前から見たときに下の前歯が隠れるような咬み合わせを過蓋咬合と言います。程度の差もありますが、まったく下の前歯が見えないくらいに深い咬み合わせになっているときもあります。 咬み合わせが深いと、下の前歯が上顎に接してしまい、上顎に傷がついて炎症することもあります。過蓋咬合になるくらい咬み合わせが深いとき、顎の関節が押し込まれるようになるので、顎関節に影響を及すこともあります。
過蓋咬合(ディープバイト)の原因
下の顎が上の顎の中に入るくらいに、上下の顎の大きさが違うと下の前歯が隠れるような状態になります。上下の顎の大きさの不調和だけでなく、奥歯の咬み合わせに問題があるときにも過蓋咬合はおきます。 乳歯を早くに失い、永久歯が倒れるように生えてきたために、適切な咬み合わせの高さが確保できないことがあります。そうすると咬み合わせは低くなり、前歯の咬み合わせは深く、過蓋咬合になります。
過蓋咬合(ディープバイト)をそのままにするリスク
咬み合わせが深いと、顎が後方に押し込まれるようになります。顎関節への負担が大きく、顎関節症を引き起こしやすいです。顎関節の問題は発育や姿勢にも影響するので重要です。 前歯は上と下が接した状態が本来の咬み合わせですが、過蓋咬合の状態では下の前歯が上の顎に咬みこんだ状態になることがあります。長期に上の顎に咬みこんだ状態が続くと、炎症が拡がり、上の前歯の歯肉炎を慢性的に引き起こします。歯周病の観点からもいいことではありません。
過蓋咬合(ディープバイト)の治療例
過蓋咬合を改善するために咬み合わせの高さを上げる必要があります。それにはインビザラインでは小臼歯(犬歯の一つ後ろの歯と二つ後ろの歯)を挺出(引っぱり出す)させます。きっちり咬んだ状態では動かないので、奥歯の咬み合わせを離開させます。そのときに、上の前歯の裏側に段差(バイトランプ)を設け、下の前歯を上のバイトランプにあてるようにします。 この状態で小臼歯を引っ張りだ出すように設計されたアタッチメント(白いポッチ)を設置します。小臼歯は挺出して、咬み合わせの高さはあがります。奥歯も次第に咬むように設計されます。 咬み合わせの高さを上げるだけではなく、前歯の圧下をする必要もあります。前歯の圧下は難しいとされていましたが、根の先端方向に適切に力をかけるように設計されているので、前歯の圧下も可能になっています。